2024年5月6日(月)

Mの仕事が多忙を極めているため、GWもどこにも出かけずひたすら家で読書。おかげで約530P・2段組の「キャスリーンとフランク」(クリストファー・イシャウッド著)を読み終わる。キャスリーンとフランクが結婚するまでは、「フランク、しっかりせいや!」と心の中で突っ込んでしまうくらいゆっくりと進んでいたストーリーが、結婚した途端にあれよあれよと展開し始めて、そこからはぐいぐいと読み進めた。おそらく「設定」として見てみれば、この時代で特に目立って変わったところもなかったであろう夫婦であり、親子である。だけど、こうして手のひらにのせてその人物たちに1対1で向き合ってみると、それらは何にも変えられないただ一つだけの物語になる。人の人生とは、みな等しくそうなのであろうと思える。物語のない人の一生なんて、どこにもないのだろう。自分はどこまで、己の人生に誠実であれるだろう。人生でこれから訪れるであろう別れや悲しみを、どうやったら乗り越えることができるだろう。二度とこの世界に生まれてこられないのであれば、何を見て、何を思って生きればいいのだろう。いつも、そんなことを考える。