2023年4月3日(月)

朝5時半起床。ココアを淹れて読書。「謝々!チャイニーズ」(星野博美著)を読み終わる。本に書かれている内容は著者の長い中国の旅のなかの出来事がかなり濃縮されているだろうし、書き方によってややドラマチックに描かれている点もあるだろうけれど、それでも中国の人ひとりひとりが親切で人間思いで、とにかく困っている人(著者)を放って置けない様子にほっこりしてしまう。こうやって「わたし」と「あなた」で出会えばひとりの人間同士の関係であってそれ以上でも以下でもないのに、「国」とか「人種」とか「民族」とか、ラベルを貼ってしまった途端に、そのラベルの内容だけを見て歪みあったりする。そういうのが本当に、無くなったらいいのにと思う。朝食は昨晩の残りのチヂミ、M特製たまごわかめスープ、ごはん、ぶどう。洗濯をしてから勉強。昼食はサラダ、塩鮭、納豆ごはん。午後も勉強。3時半頃にMが唐突に「アイス食べたい!買いに行こ!」と言うので家から30秒のセブンへ。アイス食べたいと言ったのにプリン買ってた。

1日は義兄一家がフィリピンに引っ越すことになったのでMの実家で送別会。Mのおじさんおばさんも来ていて久しぶりに会えた。おばさんは現役時代はオペラ関係の仕事をしていたそうで、旅行も大好きな人。仕事を引退した後はロシアや中東、中央アジア、ヨーロッパと世界中を旅したそう。ロシアの歴史や文学にも詳しくて、いつもいろいろな話が聞けて楽しい。甥っ子姪っ子とは引っ越し前の遊び納め。「フィリピンに遊びにきてね!」と言っていたので、これは行かねばなー。

普段からあまり過去のことは振り返らないし、己の生き方に対してはもはや開き直ってきたこともあって悩むことはほとんど無くなったけれど、数年ぶりに連絡が来た相手の近況とかを聞くと、つい「私の生き方はこれで良かったのだろうか」とか「これが正しいのだろうか」とか考え始めてしまうことがないわけではない。結局は、人それぞれの生き方に対して正しいも何もなく、もしあるのだとすればそれは自分にとってどうかと言うことでしかないし、自分にとって正しいかどうかというのも、そう思えるように生きていくしかない、と言う結論に達して着地するのだけれど。何か一つのものさしを取り上げて測ったら「間違い」なことはあるかもしれないけれど、そんなの誰に言われる筋合いもないし、誰かに言える立場にもない。

人を殺す道具なんかではなく、美しい芸術とその生き方で社会を変えようとした人と、同じ時代、同じ国に生きていたことをとても誇らしく思う。生み出された音楽は、権力者たちの罵り合いを横目に世界中の人々の心を等しく震わせていた。そして、己の人生もこんなに短くちっぽけであったとしても、絶対に社会や時代に無関心で生きていてはいけないのだと姿勢を正す。ご冥福をお祈りします。