2023年6月23日(金)

朝6時半起床。読書。先日日記に書いた「無限角形」は読了して、今は「コソボ 苦闘する親米国家」(木村元彦著)を読んでいる。この本は木村さんがゲストで出られたTBSラジオの武田砂鉄の番組を聞いて手に取ってみた。木村さんはサッカー関係の著作を多く出されている方のようだったので、もっとサッカーの話に寄せた本なのかと思っていたのだけど、政治や民族紛争に関してかなり深く丁寧に取材して書かれていて、「スポーツに限らず、もっと広い分野のジャーナリズムに溢れた方なんだなぁ」と初めて知った。とは言え登場する人物はオシムをはじめとした旧ユーゴ圏におけるサッカー界の人たちが中心で、でもふと気がついたのは、バルカン半島という場所にアイデンティティを持つ人々を描くときに、「政治」や「民族」といったことと完全に切り離して描くことは不可能に近いのだろうなと思った。個人個人のバックボーンに必ず「政治」や「民族」に関わる歴史が深く関係してくる。それは「日本」という閉鎖性の高い国に生まれ育った人間には、なかなかリアルに想像のできない感覚だろうと思う。作中に出てくる、オシムが生前に著者に語ったというセリフ。

いいか、偏狭な民族主義者をどうやったら生み出せるか教えてやろう。同じ属性の連中をひとつの家の中に閉じ込めて、他との交わりを絶って他者を批判する情報だけを吹き込んで、俺たちは被害者だと言い続けることだ。しばらくしたら排外のモンスターができ上がる。

生きていく上で、自分が決して「モンスター」にならないように常に己を冷静に俯瞰できる視点と広い視野を養い続けなくてはならない。その点、日本という国全体に関して言えば、このままではかなりまずいだろうなと思う。

朝食は味噌汁、キャベツの梅おかか和え、ハムエッグ、納豆ごはん。今日はMが外で仕事なので昼前に一緒に出て見送ってから髪を切りに行く。帰りに一人でこっそりマックに行こうかと思ったのだけど、ちょうど近くの大学の昼ごはん時間とかぶってしまって激混みだったため断念。ドラッグストアとスーパーに寄って帰宅。昼食はスーパーで買ったお寿司とサラダ。午後はスーパーで安く買えたぶりのあらを煮込みつつ読書。今日の夕食にしようっと。